映画メモ 「サニー 強い気持ち・強い愛」
元の韓国バージョンはすごく感動した記憶がある。
コギャルをすんごいデフォルメして描いていたり、そのせいでコギャル=ヤンキーになっていて、学校がとんでもないヤンキー学校に見えたり、「うーん」と思うところもあり。
いきなりミュージカル映画のようにコギャルが踊りだすシーンで、「あー、大根さん、こういう演出する人やった」とちょっと引いてしまったり。
でも要所要所で惹かれるシーンもあった。昔を振り返っての高校生時代のシーンより、「今」を描いているシーンのほうに惹かれた。
お金持ちの医者と結婚して、セレブな生活をしている裕子が言う、「(昔の友人に会いたい気持ちはあるけど)引き戻されたくないんだよね、昔に」というセリフは分かる。その後、子どもとも引き離されて水商売をしている心も出てくる。生活がうまくいっている人は、昔を懐かしがる余裕もあるが、幸せとはいえない生活をしている側は「探してくれるな」という気持ちにもなると思う。
この心を演じるともさかりえの演技が一番良かった。今まで見たともさかりえの役の中で一番好きだったかも。あの特徴的なもたもたした話し方も封印されてた。
がんで「痛い痛い」と芹香が苦しむシーンは本当につらかったけど、その芹香が言う「伊藤芹香物語の主役としては悪くなかったかなーって」というセリフはすごく救われた。その後、主婦として忙しくしている奈美は「ずーっと自分がどこにいるのか分からなくなってた。芹香に会ってみんなを探しているうちに、久しぶりに自分を取り戻せた」と。
最後、芹香はお金という形でも仲間に色々と残す。お金で解決かい、という見方もあるかもしれないけど、亡くなっていくものとしては考えて考えた結果、出来ることの一番がお金、ということもあるのかな。残されたものが一番欲しいのは、言葉だったり、その人を覚えておける物だと思うけど、そのお金で住むところを整えたり、亡くなった人を感じながら生活が出来るのかもしれない。
色々と考えながら見た映画でした。