日々ザッキ。

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映画メモ 「スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン!」

 

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2019年公開。

2004年公開の一作目は、当時オープンしたての京都シネマで見た。
「30日間ファーストフードだけを食べ続けるとどうなるのか」という実験を監督自身がしたドキュメンタリー。当時大ヒットして、「30日間何かをする」という類似のドキュメンタリーが何本か作られていた。

 

本作は、監督自身が鶏を育て、自らファストフード店を開く。その過程で「ヘルシーさ」を謳うようになったファストフード業界が、実は本質的には変わっていないことを、あくまでコミカルに描いていく。

 

美辞麗句で印象を変えて、消費者に「ヘルシーなものを食べている」と錯覚をさせている、ファストフードを食べている罪悪感を抱かせないようにしている、と。この「健康さの演出」によって「証拠がないのに、食べ物が健康に良いとみなすこと」 "health halo effect" と言うらしい。(haloは後光、暈かさの意味)

面白かったのは、ファストフード店が好んで使う、という言葉。
"homemade"  "artisant"(職人)   "crispy"(パリパリ、friedよりも聞こえが良い)"scratch"など。"scratch" は"made from scratch biscuit”(イチから作った、自家製バン)のように、手作り感を出すために使われる言葉。

ファストフード店がどのように、「健康さの演出」をしているのかを、色々なお店を回って見ていく。
各ファーストフード店では、店内に緑色を使ったり、木目を使ったり、包装を発泡スチロール(styrofoam)から紙素材にしたり、包装に手書きっぽい字で原材料について書いたり。びっくりだったのは健康に見えるよう、人工でグリルの焼き目を付けていること。"fresh‐cracked eggs”(厨房で割りたての卵)のような言葉が宣伝で使われ、"bare minimum becomes the heights"(最低限のことが良いことのように表現されている)、と。確かに卵を厨房で割ってるって、わざわざ言うことじゃないけど何か良く響く。

 

面白かったシーンは、みんな宣伝文句や店内の雰囲気につられ、良いものを食べているように思わされているが、実際食べているものはそうではない、というシーン。


”You think you're eating that(写真の物), but you're eating the shitty thing in your hand." (写真の物をたべているように思ってるけど、実際に食べているのは、その手に持ってるひどいものなんだよ。)
"Just keep your eyes on this."(写真だけ見て食べよう)


というように茶化していたところが面白かった。


ただ、ファストフード店がこういう取り組みをしているのは、消費者が求めているから、という点も。消費者が求める、”craveable flavor"を提供しているに過ぎない。
マクドナルドやウェンディーズの他に、日本にはない、Chick-fil-A(チックフィレイ)や Chipotle(チポトレ)が出てきて、正直行ってみたいと思ってしまったわ。

 

その他、気になったフレーズ。

 

TOEICでも出てくる表現

We are subject to one giant prank?(ドッキリにかけられているのでしょうか?)

Cutting edge scientific researh shows it.(最新の科学調査が示している)

You have to weave a good tale.(ストーリー性が大事だ)

Being transparent, transparency is the most important thing.(透明性が大事だ)

Tyson manipulates the variables that are used to rank these fellows.(食肉加工業大手のタイソン社が、養鶏家をランク付けするために評価基準(不確定な要素)を操作している)
このvariableって名詞、イメージがつかみにくかったけどこうやって使われるのね。

 

新しく知った単語/表現

integrity(信頼)、provocative(刺激的な)、poultry(鶏肉、食用の鶏)、tri-hold brochure(三つ折りのチラシ)(ちなみに二つ折りはbi-fold)、cornerstone(基本、根本理念)、have thumb on someone(人を言いなりにさせる)

 

ドキュメンタリーは、より生の英語が聞けて良い。